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基本は仮プレイング置き場
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時間は少しだけ進む。
7月に入った頃、再び梅雨の真っ只中な雨の日、かなめは都内にある廃ビルの前に立っていた。
街中で見かけるには明らかに異質な巫女服を今日も纏っているが、見咎める者は誰もいない。
周辺地区は「学園」によってある程度の人払いがされている。
この場にいるのは、此処までかなめを連れてきた高村のみである。

「依頼の内容を…もう一度確認しますか?」

「いえいえ!問題無いなのです!…このビルに住み着いちゃってる眷属さんをしばき倒して来れば良いんですよね?」

「しばきって…、間違ってはいませんけど女の子なんですから、もう少し言い方というものが…」

「えーと、なら叩き勝ってきますなのです!」

微妙極まる語彙のレパートリーに担任教師として溜息が出る。
灼滅者は、もはや学生をダークネスと戦う戦力…どちらが本分と言えるのかは曖昧だ。
現に、日輪かなめはこうして一人でこれから戦いに臨もうとしている。
勝算はある。そうでなくては貴重な戦力を単身で向かわせるという愚は犯さないだろう。
本来であれば、単騎で勝算はあっても、複数名の灼滅者を割り当てるべきなのは学園も組織として理解はしている。
しかし、圧倒的に人手不足であるという事実は覆らない。あと1ヶ月、現状の体制で乗り切らなくてはならないのだ。

サイキックアブソーバーの経年劣化でエナジー吸収効率が落ちたのか或いはダークネス側が一時の混乱から立ち直り始めたからなのか。
ここ最近になって、眷属や都市伝説の発生件数が急激に増大していた。
まだ数が少ない灼滅者、そしてエクスブレインでは全てへの対処が難しくなっているほどに。
それゆえに、今回も可能な限り対処可能な布陣を敷いて、かなめを派遣したのである。

「まぁ、とりあえず先生は少し離れていてくださいなのです。
大丈夫ですよ、勝てますから。なんたって鍛えてますからねー!」

何も出来ない一般人である高村が放つ重苦しい空気を察してなのか、かなめは終始軽い調子で声を掛ける。
彼女としては現状がどうあれ、やれることを最大限にやるだけ。これまでもこれからもそれは変わらない。
幸か不幸か、そう育てられてしまっている。命を賭けた戦いすら、何処か娯楽のように捉えているほどに。

「それじゃ、ちゃちゃっと行ってきますねー!」

高村に向かってブンブンとオーバーに腕を振ってから、駆けるかなめは廃ビルの中へ消えていく。
全て何のことはない。ダークネスも心配も拳一つでひっくり返せると、彼女はそう信じている。



ビルに入って3階まで登ったところで、かなめはあっさりと眷属を見つけることができた。
正しくはこんなもの見逃す方がおかしいと言えるほどだったが。

天井に届きそうな巨大な体躯。豚の頭にマッチョな上半身。下半身は牛か何かだろうか、四脚の動物が不安定な蹄で無理やり二足歩行してる。
良く言えばミノタウロス…なのだが、明らかに何か違う。
むしろ猪八戒?いやそれもなんだか違う要するにパチモンだなとかなめの口元が引攣る。
大方、ソロモンの悪魔辺りが作ったのだろうが、はっきり言ってセンスが無い。

「とりあえず…、たのもーーなのですよーー!!」

ビルの一室に入ったかなめは、仁王立ちでミノもどきに向かってビシィと指差し見得を切る。
気づかれていなかったのだから奇襲を仕掛ければ良かったのかもしれない。だがしかし、かなめの頭にそんな作戦は毛頭無い。
馬鹿と呼ばれようと、命懸けであろうと、真っ向から勝負してナンボである。

突然の来訪者に眷属が慌てたように振り向き、即座に喉から絞り出すようなグルルル…という音を発しながら威嚇。
対するかなめは仁王立ちのまま動かず、視線を逸らすことも無い。
睨み合い…ではあるが、かなめは睨んでいるという風ではなく、視線を合わせることで心を通わせようとしているようですらあった。
もっとも、既に正気を失った化物相手に武道家の流儀など通じるわけもなく、拒絶の意思のみが見て取れただけだ。

しばしの静寂を経て、かなめの敵対者であると認識した眷属は、ゴアァァァァっという豚ですらない咆哮を上げた。
絶叫は大気を震わせ、衝撃波となって室内を駆け巡る。小柄なかなめなど吹き飛ばしかねない強風もかくやという力だが、仁王立ちを続けるかなめは微動だにしない。
此処に至ってようやくと言うべきだろうか、かなめの表情からは笑みが消えて、真剣な表情で相手を見定めていた。

「眷属さんに恨みはありませんが、このままでは貴方によって傷つく人が出てしまうそうなのです。
それは許せないので、灼滅させて頂きます!水鏡流…装気、神気発勝ッ!!」

袖の下から取り出したのは一枚のカード。かなめが発した言葉を鍵として、眩い光と共に内に封じていた力を開放する。
現れ出てるは殲術道具。灼滅者がダークネスと渡り合うために必要な武器であるが、その形は千差万別。
刀であり槍であり銃であり、或いは「形すら持たない」。
かなめが「取り出したもの」もまた形無き殲術道具、大別はバトルオーラ。灼滅者の身に宿るサイキックエナジーそのものだ。

「では尋常に…行きますッ!」

己を武装したかなめが、そう言って踏み出すと一気に間合いを詰める。
常人なら目にも止まらぬ速度、だがこれでも本物ダークネスにはまるで太刀打ち出来ない程度。
灼滅者は言ってしまえば中途半端なダークネス。身に巣食う闇の力の一端を引き出せるとはいえ、一端は一端でしかない。
ダークネスに比べれば弱いとは言え、完全な闇側の存在である眷属と比較して優位と言えるほどの力も無い。

グガアアアアと吠える眷属。正気の無い眼ではあるが、かなめの動きは確実に追っている。
ならば肥大した筋肉は伊達ではないと腕を振り上げる。まっすぐ自分に向かってくるだけのものなら間合いに入ったところを潰してしまえば良い。
…そう、無い頭で考えたのだろう。本能としてそれは正しい選択だ。彼我の力を比べた時、それが可能ならば。
単純な力比べなら可能であるだろう、それは真実だ。しかし、「武術」というのはその真実を覆すために生み出されたものである。

「てぇぇーーい!」

裂帛の気合を吐くと、かなめも右の拳を振りかぶる。
だが…まだ距離は遠い。小柄な体格故にリーチも短い。
格闘技をやる上で、それは致命的な弱点であると言える。

そう諦めてしまえば真実。
されど、諦めなければ先がある。

かなめの足運びは其処で止まらず、さらに最速の一歩を紡ぐ。
足りないなら補えば良い。一歩分距離が足りないなら踏み込めば良い。
蹴り込んだ一歩が、かなめをさらに加速させる。

ただの一歩が、眷属の計算をも狂わせる。
本能で読み取った最善の一撃は、ドンピシャでかなめを真横から殴り飛ばすはずだった。
だが、そこにあるはずの標的がまるで幻のようにすり抜けていく。
空振る豪腕、一瞬の違いでかなめはさらに内側へと潜り込む。

真実とは概念である。
現実に於いてもっとも正しいと思われる、或いは誰もが腑に落ちる解を定義するものだ。
ならば、今まさに起こっている現実を何とするか。
現実を真実を全てを塗り替えるは「事実」。
ただひたすらに諦めることをせず、鍛錬を続けた少女はその一点へと辿り着いた。

補われた一歩を踏み出すことは容易ではない。
迫る攻撃を読み、見切り、何より全てに先んじて動かねば備えられる。
しかし、踏み込んだ瞬間に世界は変わる。

鍛え抜かれた拳に「神気」を乗せた鋼鉄に勝る一撃が眷属の腹部を打ち抜く。
筋肉の壁を容易に突破し、衝撃が背中へ突き抜けた。
加速はそのまま攻撃力となる、体重の軽いかなめであってもこれならば重量級にすら重い一撃を叩き込める。

「続けて…もういっちょぉ!」

くの字に折れる眷属へ、かなめは加速を体重移動でそのまま利用するべく身を縮める。
左足を踏み込み、右足は伸ばす。下からかち上げるように肩を密着させる。

「水鏡流…当身術、水衝鎚ッ!!」

踏み込んだ足を滑らせるように横へ向け、同時に身を伸ばすと抉るような衝撃が眷属を突き抜ける。
全体重と加速を乗せた鉄山靠が眷属の巨体を跳ね飛ばし、ビルの壁面へ磔る。

攻撃を外してからの腹部への二連撃、敢えて同一箇所へ攻撃を加えることで、ダメージはより深くなる。
一撃では浅くとも、釘を打つように打撃を連ねて押し込めば通らぬ道理は無い。
僅か14歳で至るにはあまりにも非情な実戦主義であった。

「グルルルルル…!」

「まぁ、このくらいじゃ倒れませんよね。それじゃ、次はそちらの番なのです!」

壁にもたれながら、よろよろと立ち上がる眷属へ、かなめは構えを取ると手招きして攻撃を誘う。
予想通りというべきか、攻撃方法は単純。あの腕を振り回す程度しか出来ないとかなめは踏んでいる。
蹴りはない、上半身に比べてあまりに短い足では、そんなことをすれば盛大に転ぶだけだ。
動きも鈍重で今のようにスピードで翻弄すれば、完封出来る自信があった。

(…でも、それじゃ修行になりませんしね)

真剣な表情を崩すことはないが、かなめはこの戦いを楽しんでいる。
正確にはあらゆる実戦はかなめにとって全て楽しいと感じるものだ。

物心ついた頃から、かなめはずっと神社の修練場で父と母から、武術を教わり続けてきた。
組手をするにも、自分より遥かに強く相手にならなかった母か真人間ゆえに最近は手合わせして貰えなかった父。
あとは物言わぬ木人達だけ、武術を通じて友達が出来ることなど無かった。

ダークネスは敵である。
そう教わってきたし、人を不幸にして喜んでいるというのも許せるものではない。
それでも、真剣勝負が出来る相手というのは貴重だ。
友達は無理かもしれないが、ライバルとして末永く戦えるような人がいれば嬉しいとかなめは思う。

「なんて、考えてる場合じゃなかったなのです」

思い浮かんだ希望を心の中に沈めて再度現実を見れば、ミノもどきの眷属が眼前まで迫ってきていた。
次は避けないと決めている。纏う神気の流れを腕に集中して足は踏ん張る。
今度こそはと叩き込まれる豪腕がかなめの側面に突き刺さった。

「…ぐっ、やっぱり重いですね…ッ」

そのまま受けていれば、かなめの細腕などマッチ棒のようにへし折れていただろうが、事前に集中していたオーラが壁となって巨大な拳を塞き止めていた。
眷属の持つサイキックエナジーと、オーラの力がバチバチと閃光を上げて干渉する。

さらに眷属はがむしゃらに腕を振り回してかなめに打撃を加えようとする。
その全てをかなめは受け続ける。ただしまともに正面からガードするのではなく、流れに合わせて払うような動きで力を截ち、捌く。
攻めては拳法の力、守りは合気の技、そして全てを受け入れた上で時に魂振り、時に魂鎮めるは神楽の心。
荒唐無稽とも思える心技体を極めし武術こそが水鏡流、神楽拳法。かなめはその理念をただ愚直に実践する。

力の暴風の中で、かなめは笑っていた。
この戦いが終われば、新しく学生寮として再生する「琥珀館」へ住んでくれることになる住人の第一陣についての名簿を貰えることになっている。
実戦の機会にも恵まれ、同世代の仲間がたくさん出来るこれからの日々が待ち遠しい。

(さて、そろそろ終わらせましょうか…っとおお!?)

その気の緩みが、かなめの動きに隙を生じさせる。
普通なら気づくはずもないほど僅かなものであっても、眷属とてバベルの鎖があるのだ。
不用意に攻撃に転じようとすれば、嫌なものが来ると判断されて読まれもする。
アッパーカット気味に下から振り抜かれたパンチを、かなめはどうにか両腕でもってガードを固め、直撃は免れるも後方へ大きく吹き飛ばされた。

「あいたたたー…。失敗失敗、やっぱりまだまだ未熟なのですねー、わたしは」

腕に残った赤みに息を吹きかけて、かなめは頭を振る。
終わらせる気なら気など抜いていられない。全力全開を持って持てる力を叩き込まなければ倒しきれるはずもない。

「速い動きは苦手みたいですけど、ついてこれますかねー?」

にやりと笑い、鼻を擦るかなめに、眷属はグォォォォォ―――と再び室内を震わせる絶叫を炸裂させ吠える。
雄叫びと共に眷属は猛然と突進を仕掛け、こちらも必殺の構えだ。

「頭を前に出しますなのですかー?それじゃ、こちらは狙いやすいんです!!」

右拳に渦巻く神気が唸りを上げると、青白い放電現象へと変わる。
サイキック体系で抗雷撃と呼ばれる、気を雷撃に昇華する能力であり、迸る電撃は使用者の身体をも活性させる。

「電光一閃、逆竜門ッ……なのです!!」

閃く拳が眷属の顎を強かに穿ち、頭を跳ね上げる。
突進はこれで止まり、さらに体の正面はがら空きだった。

「続けて…んっしょお!」

かなめは即座に腕を取ると、そのまま眷属の足を払い肩に担いだ。
そのまま、鋭角的に頭から眷属を叩き落とす。抉過ぎる角度の投げ技は、常人には到底使えない殺人技である。
脳震盪を起こした眷属は動かず、大の字に仰向けに倒れる。しかしまだ消滅には遠い、かなめの追撃は続く。

空中に飛んだかなめは大の字になった眷属の真上に位置を取る。
呼吸を整え、両拳に神気を集中。意識は標的のあらゆる脆い場所を見定めた。

「次行きますよー!これがッ、絶招、驟雨ッ…なのです!!あーたたたたたた!!」

技の名に違わぬ、夕立ちの如き拳の雨が眷属を床に縫い付ける。
急所を関節をデタラメと思える数の連撃が床ごと剔って放たれる。
消滅せずとも、全身を砕かれた眷属が立ち上がることは短時間では最早不可能な状態だった。

「ラストぉーーー!!」

勝機と見たかなめは最後の一撃を振りかぶる。
全ての神気を右拳に集中し、集められたエネルギーは巨大な拳の像を形成する。
巨人の如き拳は、体躯の大きいミノもどきであっても容易に押し潰しうるサイズだった。

「必殺ッ!!徹甲ッ、爆・砕・拳ーーッ!!」

放たれた拳の像が、眷属を完膚なきまでに叩き潰す。
…だが、その荷重はそれだけには留まらない。

「あ、もしかしてやりすぎました?」

かなめ自身も気づくが後の祭り。
強力過ぎた一撃は、さっきの連撃で脆くなっていた床をついに砕き割る。
さらにはその下階も、落下の力が加わってさらにその下も…と、連続で床を貫いて落ちていく。
その轟音は、当然のように外へも聞こえるものであった。


戦場となっているビルからやや離れた位置で高村はかなめを待っていた。
負けるとは思っていない。否、負けて貰っては困るのだ。
貴重な戦力…それ以上に年端もいかぬ少女が死んでしまうことを望むものなどいない。
ましてや、新米と言えども教師ならばなおさらに。

祈るような気持ちで待ち続けている間にも、ビルの中からは時折重い音が響く。
それでも音が聞こえている間はまだ無事なのだと彼女は自分言い聞かせていた。
しかし、その音と地響きは流石にただならぬものだった。
ダイナマイトでも使ったのかという爆発音と、ビルを震わせる衝撃。
元々ボロボロだった窓のガラスが、上の階から順に割れ、もうもうと土煙が上がる様はいやがおうにも不安を掻き立てる。

「ひ、日輪さん!?日輪さーーーん?」

我慢できずに飛び出した高村だが、呼びかける以外に出来ることなど無い。
それでも何もしないよりマシだと思い、危険を承知で飛び出したのである。

「はーい…、大丈夫なのですよー、先生ー…」

…が、即座に帰ってきたのは随分と気の抜けた返事だった。
聞きたかった少女の声であることは事実だが、まるで場の空気にそぐわないものであることもまた事実だ。
煙るビルの出入口から、金髪の巫女少女が姿を現す。
真っ白だった小袖はところどころ解れていたり、土煙に巻かれて煤汚れて、髪の毛もボサボサ、
晒している腕や顔に至っては小さな切り傷を作ってしまっている。
さぞかし激闘だったのだろうと高村は思うが、事実は違う。
殆どは今の床ブチ抜きの自爆によって、瓦礫と土煙でこうなっただけなのだ。

「だ、大丈夫ですか?」

「たはははー…ちょっと失敗しちゃいましたなのです」

頭を掻きながら苦笑いを浮かべるかなめを見て、それでも無事であることを確認した高村はようやく安堵を覚えた。

「さて、ところで先生。さっきお話のあった名簿の件なんですけどっ!!」

さっきまで命のやり取りをしていたとは思えないほど、かなめの切り替えは早かった。
目を輝かせて次の興味に移っている。その純粋さとちょっとした能天気具合に、高村は苦笑いを浮かべる。
これからも、日輪かなめはこうやって戦っていくんだろう。決してへこたれる事なく、誰かの為に戦って、そして笑顔を見せる。
そこに誰もが希望を見るだろう。日の巫女として正しい在り方を示しながら。


2012年8月12日。
世間的にはまだ夏休みである中、武蔵坂学園は新たな時を刻み始めた。
同時に、学園からやや離れた辺鄙な神社でも、新しい日々が始まろうとしている。

まだ掃除も終わっていない状態ではあるけれど、朝から何台かトラックがやってきては「琥珀館」へ荷物を運び込んでいく。
そんな作業の誘導を朝から続けるかなめの表情は常に笑顔だった。

作業が一段落したのは、陽が傾き空を赤く染め始めた頃。
境内で猫達と戯れながら、かなめは「最後に届くもの」を待ちかねていた。

まずは4人。確か双子の兄妹と訳ありの男女のコンビだという話だ。
どんな人が来るのだろう、そのあともさらに人は来てくれるのだろうか。
期待と不安の中でも、口元は緩みっぱなしだった。

どれだけの時間をそうしていたのか。
ふと、神社の入口で誰かの話し声がすることに気がつく。

矢のように少女は飛び出す。
石段を跳ねるように駆け下り、琥珀館を目指す。

石段の先を曲がると、夕日に照らされて黄昏色に染まる建物があった。
その玄関先に見える4つの人影、逆光でちゃんとは見えないけれど、かなめには確信があった。

だから、開口一番。告げる言葉は決まっていた。

「い、いらっしゃいませええええ!!
学生寮の琥珀館へようこそなのですよー!!」

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戸来 聖司だった人
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男性
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1995/07/22
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銀誓館学園学生⇒災害救助で国際的な英雄になったらしい
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